接続利用者インタビュー:Sukiyaki Project 様

IPアドレス管理指定事業者となり1年が経過し、当団体の接続を利用する方も増えてきました。接続を利用している方が、どのような思いや目的を持って利用されているのか、複数回に渡ってインタビューしご紹介しようと思います。

第1回は「Sukiyaki Project」の竹田龍馬様にお話を伺いました。2016年10月現在、当団体の中でも比較的多い64個のIPv4アドレスを割り当て、2拠点でのフルルート接続をご利用頂いている団体です。

(聞き手 : HomeNOC運営委員)

  • 最初に団体の概要を教えてください。

私達は、同じ大学で学内ネットワークを管理する団体で活動していた7人で活動を行っています。そのほとんどが、大学を卒業して2年以内の社会人です。

大学時代に取り組んでいたように、再び自分たちでネットワークサービスを構築、管理し、同時に研究にも取り組みたいと思い、そのための回線として HomeNOCを利用させていただくことになりました。

  • ネットワークサービスを構築、管理し研究にも取り組まれているということですが、具体的にどのようなサービスを作られているのでしょうか?

活動の一つに、広域分散型のクラウドを構築するという課題があります。現在はそのうち1拠点のみに、サービス用の仮想サーバを設置して様々なサービスを運営していますが、今後はリージョンを意識しないクラウドサービスを構築するため、全拠点でのサービス用の仮想サーバ構築・展開に取り組む予定です。

  • 単純にクラウド環境を作るだけなら、プライベートアドレス環境や、家庭向プロバイダのフレッツ固定IPコースなどでも可能かと思います。あえて当団体の接続を利用されている理由は何でしょうか?

一般的な商用のクラウドサービスと同様、グローバルアドレスを用いてインターネットよりクラウドアプリケーションに接続できる環境を実現したいと考え、数多くのグローバルアドレスを利用できる HomeNOC利用させていただこうと思いました。また、BGPにより複数のNOCと接続しフルルートを受けて、冗長化や柔軟なルーティングがしたかったというのも理由の一つです。

  • 64個のIPv4アドレスをどのように使われているのか、ネットワークのトポロジをもう少し詳しく教えて頂けますでしょうか。

図のように、私達のネットワークは3つの拠点に分かれており、EtherIP・BGP を利用して冗長構成を組んでいます。2つの拠点でHomeNOCに接続し、サービス用の仮想サーバにてDNSやWebなどの1仮想サーバにつきIPv4アドレス1個を割り当てています。また各拠点にもIPv4アドレスを割り当て、サーバや自宅のインターネットゲートウエイとして利用しています。

Sukiyaki Project ネットワーク構成図

Sukiyaki Project 竹田さんのご自宅のラック
  • 今後チャレンジしてみたい技術や興味を持っている分野はありますか?

VXLAN や EVPN などの DC, クラウドなどで用いられている技術分野についての動向を注視しています。今後、私達の構築するネットワークにも導入したいと考えています。

  • 最後になりますが、Sukiyaki Project 様は学生さんや社会人1~2年目の方が中心とのことでで、新たに学ばなければならないことも多いと思います。会社の業務やスキルアップに活動が役立ったと感じる時はどんな時でしょうか?

入社した会社の業務では、すでに構築がされたネットワーク機器についての運用、設定変更を行う場合が多く、そこで用いられているネットワークおよびそれを支える技術は、既に多くの場所で用いられている技術ばかりです。また、ゼロからネットワークを構築するという環境を得るのが難しい環境でした。Sukiyaki Project の活動では、ゼロから構築することになり、ルータなどの機器をゼロから設定することになりました。

今回 HomeNOCを利用させていたくことによって、自由に設計・構築・保守を行うことが出来るようになりました。これによって、私たちは幅広い技術について、知ったことを実際に手で動かすことができ、ネットワークに関する理解はもちろん、会社での業務にも役に立っていると感じています。